吉田 珠巳
私にとって理想の携帯電話
私にとって「理想の携帯電話像」は個人に合わせて機能が選べてカスタマイズできるサービスが導入される事である。
最近の携帯電話は非常に機能が豊富であり、操作も複雑になった。携帯電話ショップに行ってみるとどのメーカーのどの機種も機能の豊富さ、便利さを競うように前面に推し出し、売り出している。人気の折り畳み型ボディー、鮮やかで見やすいカラー液晶画面、ゲームのしやすいボタン配列、モバイルカメラ内臓、メモリースティックウォークマン機能付き、メールの日本語変換が抜群に賢い機能搭載、耐水機能、24和音着信メロディー、チャット対応・・・・・・・。今や携帯電話は老若男女、誰もが持つ時代になり、生活必需品となっているが、誰もがみんな同じような形、同じような機能のついた電話を持っているのは少し疑問を感じる。それぞれ生活パターンが全く違うのだから携帯電話の使用頻度や使用目的も当然違うわけであって、みんながみんな今発売されているような携帯電話を持っても人によっては全く使わない機能もたくさんあるし、こんな機能が付けばいいのに、ということもある。もっと個人に合わせたいろいろな種類の携帯電話があってもいいのではないかと思う。
そこで、私が提案するのは自分のよく利用する機能やサービスだけを自分で選べて自分だけのオリジナル携帯電話が作れるようになることだ。現在発売されている機種に付いている機能やサービスから選択出来ることは前提として,他にこんな機能があれば・・・というものを挙げてみる。
例えば私は俗に言うヘビーユーザーで、頻繁に通話やメールをする。そのためにバッテリーの消耗も早く、充電をつい忘れて外出先で困ったという経験が何度もある。充電器をいちいち持ち歩くのはかさばるし、充電は私にとってかなり面倒くさい作業であるので、「充電のいらない携帯」があればいいなと思う。ソーラー電池を利用するという手もあるし、携帯電話本体で発電できるような機能が付いてもおもしろいと思う。腕を動かす事により発電する腕時計のように、携帯電話が動くたびに発電できたり、メールで文章を入力するのにはかなり何度もキーを押しているのでキーを押すたびに発電できる仕組みなどができたら便利だと思う。
また、携帯電話でラジオが聞けるようになれば便利である。通学の電車の中で使えるし、災害の時にも役に立ちそうだ。携帯電話を持っていればiモードなどでも情報は得られるが、情報料だの通信料だのと何かとお金をとられるし、いざという時にセンターが混雑してつながらないということがよくあるし、テレビやラジオの報道に比べるとタイムリーな情報が入ってこないので、是非ラジオ機能は実現して欲しいものだ。
その他の理想としては高齢化社会が進んでいることを考えて、それに合わせた機能も出てくることである。例えば電話機の本体にセンサーを取り付けて体温や脈拍など、必要なデータを計ることが出来て、さらにそのデータを病院に送って管理が出来るようなシステムなんかも作れたらいいと思う。
目の不自由な人でも使えるような携帯電話も必要である。ボタンはなく、声で全ての操作が可能な携帯電話で、例えば全ての文字を音声化にして色々な操作が行えたりメールなども読み上げてくれる機能を付けたら便利だと思う。
そしてこれは目の不自由な人に関わらず付けて欲しい機能であるが携帯と家の電化製品を連動させて(携帯がリモコン代わりになるように直接的でも電話回線を通じて間接的に指示できてもよい)エアコンを操作できたりお風呂が沸かせたりできるようになれば便利だと思う。
他には、年配の方や子供、機械が苦手な人など多機能を求めていないユーザーにとっては最近発売されている携帯電話は電話がメインなのかも疑わしく、あらゆる機能はただ過剰なものであり、ほとんど必要ないと思われる。色々な機能を付ければ携帯電話で楽しめたり生活が便利になったりするのは当然であるけど、それに比例して操作が難しくなってくるのは当然避けられないことである。「もっと操作が簡単な電話があれば」と嘆いている人も少なくはない。こういう人のためにもっと初心に返ってみて簡単な操作でわかり易くシンプルな機種を出してもいいと思う。形は今のものよりも大きめにして、持ちやすく、液晶画面ももっと大きくして、文字を見やすくしたり、ボタンの数も減らして相手の名前を言うだけで電話がかけられたり、マナーモードや音量の操作も声でできたり、万が一分からない操作があっても声で案内してくれるなどの機能が便利だと思う。また携帯電話のバイブレーター機能をもう少し向上させてマッサージ機能なんかを付けてみてもおもしろいかもしれない。
そして、機能を削るのだからやはり使用料金の方も削って欲しい。機種自体はもちろん、月々の基本使用料なんかも下げるべきである。これなら気軽に携帯を使いたい、もしもという時にだけ使いたい、というユーザーもそれほど躊躇する事もなく、持てると思う。逆に、料金がかさんで仕方がないというヘビーユーザーのためにも今の料金システムは変える必要があると思う。インターネットのプロバイダ使用料のように月々に定額料を払えば使い放題、といったプランも考えて欲しいと思う。もうすぐ次世代携帯電話と呼ばれるサービスもスタートし、それに伴って通信料金も値上がりしそうなのでこのような料金の見直しは是非考えて欲しい。
私は、最近の携帯電話の全てを高性能なものに!というメーカーのやり方には疑問を感じている。つけられる機能はとりあえず全て付けようという体制はそろそろ考え直して欲しいと思う。ヘビーユーザーであっても多機能を必要としないユーザーであっても自分のライフスタイルに合わせて機能も選べる、料金も変わるというシステムは是非取り入れて欲しい。